昨日の新聞各紙によると、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)認定サイトに対して、警視庁が削除要請をしたことが明らかになったという。たとえば、読売新聞は「人気の「健全」携帯サイト、実際は「不健全」で大量削除」という見出しでこの件を報じている。
私は今回の各紙の報道に関して、わからないことだらけである。以下、わからないことを挙げる。
1)利用者がサイト内に設けたコミュニティが削除依頼の対象となっているようだが、これは何を根拠にしているのか。もし出会い系サイト規制法が根拠だとしたら、利用者がサイト内に設けたコミュニティが出会い系サイトに含まれると解されたのか。出会い系サイト規制法では出会い系サイト事業は「インターネット異性紹介事業」と呼ばれるのだが、利用者が設けたコミュニティを「事業」と呼ぶのは無理があるのではないか。
2)mixiのコミュニティの削除が報じられているが、mixiがEMAの認定を受けた1月30日時点で、mixiには男女の出会いを掲げたコミュニティが数多くあったということなのか。だとするとEMAの認定基準に問題があったのか、それともEMAの審査に問題があったのか。
3)モバゲータウンに関しても名前が挙がっているが、実際に会うことを厳しく禁じているはずのモバゲータウンが出会い系サイトとして使われているという実態があったとすれば、具体的にはどこにどのようなことが書かれていたのか。
4)2月に削除があったようであるが、このタイミングで各紙が一斉に報じたというのは、警察内部からのリークがあったと考えるのが自然であろう。なぜこのタイミングで、きちんとした発表でなくリークという形で情報が出てきたのか。
今回の問題は、今後の青少年とメディアに関する取り組みを進める上で、大変重要なものである。上記のことが明らかになるような続報を期待したい。