藤川大祐 授業づくりと教育研究のページ

藤川大祐のブログです。千葉大学教育学部教授(教育方法学、授業実践開発)。プロフィールは「このブログについて」をご覧ください。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

オタク力と越境学習を結びつけてみる

「オタク力」に関する論文を掲載したばかりですが、本日先ほどまで、「オタク力」研究チームのオンライン・ミーティングがありました。だいたい月に1回、チームでのミーティングを行っています。 今日のミーティングで見舘好隆先生から教えていただいた石山…

「ウクライナ危機 児童生徒と対話する際の8つのポイント」を書きました

先日、教育新聞の連載で、「ウクライナ危機 児童生徒と対話する際の8つのポイント」という文章を書かせていただきました。 www.kyobun.co.jp ウクライナへのロシアによる侵攻について、日本にいて教育で何ができるかというと大変心許ないのですが、児童生徒…

論文「『オタク』概念の意味論的検討」を暫定公開します

このほど冊子ができた千葉大学教育学部研究紀要第70巻に、藤川大祐・渡邉文枝・見舘好隆・小野憲史「『オタク』概念の意味論的検討」が掲載されました。 いずれ千葉大学図書館のリポジトリに掲載されるはずなのですが、まだ掲載されいていないようですので、…

「アンダーライブ」の逆説的な可能性

乃木坂46というグループは40名前後のメンバーがいて、うち20名程度が「選抜メンバー」、残りが「アンダーメンバー」となっています(入ったばかりのメンバーはどちらにも入らなかったりします)。以下、敬称略で。 2012年のデビューからしばらく、アンダーメ…

小学校図書館向け図書「考えよう!話しあおう!これからの情報モラル」全4巻ができました

これまでも毎年のように小学校図書館向けの書籍の監修をやらせていただいていますが、このたび、監修させていただいた偕成社の「考えよう!話しあおう!これからの情報モラル」全4巻が完成し、先日発売となりました。 www.kaiseisha.co.jp 監修というと名ば…

日本教育工学会発表資料「キャリア関連諸能力と『オタク力』との関係」

3月19日(土)〜20日(日)にオンラインで開催されている日本教育工学会 2022年春季全国大会において、渡邉文枝(早稲田大学)、見舘好隆(北九州市立大学)、小野憲史(東京国際工科専門職大学)の皆様との共同研究の一環として、「キャリア関連諸能力と『…

学校・保育所等のコロナ対策をもっと優先できないか

1月以降、コロナ感染者の増加が急激だった一方で、増加が止まって以降の現象は緩やかです。小中学校や幼稚園、保育所などで感染者が頻繁に出ており、インフルエンザのように子どもが媒介となって感染が広がり続けているのではないかと思われます。症状もイン…

多摩川スカイブリッジを歩いてきました

いろいろな場所を歩くのが好きなので、今回はそんな話題で。昨日、開通したばかりの多摩川スカイブリッジを歩いてきたので、その話を書きます。 スタートは、東京モノレールの羽田空港第3ターミナル駅。以前は国際線ターミナルと言われていた第3ターミナルの…

ランダム性を取り入れたデザイン論に向けて

愛読させていただいているPLANETSのメールマガジンの今日の号に興味深い記事があったので、忘れないようにここに書いておきます。落合陽一さんによる「マタギドライヴ」の連載の最終回です。 wakusei2nd.com そもそも「マタギドライブ」って何というのはこの…

明治図書『授業力&学級経営力』誌で連載「教育問題24時」スタート

2022年度、明治図書『授業力&学級経営力』誌で、「教育問題24時」という連載をさせていただくことになりました。 www.meijitosho.co.jp このほど、4月号の掲載誌が手元に届きました。第1回となる4月号のテーマは「学校における働き方」。制度面での紹介も含…

東日本大震災から11年経って思うこと

東日本大震災の発生から11年が経ちました。あらためて私なりの視点で当時のことを、当時のブログ記事をたどりながら振り返ってみたいと思います。 震災発生直後に私がしていたことは、首都圏にいながら何ができるかを探ることしかありませんでした。まずは、…

大学×企業×NPO×附属学校連携による特別授業を実施しました

千葉大学大学院教育学研究科には実践的な授業が多くありますが、中でも特徴的なのが附属学校と連携した実践的な授業です。教育系の学部等をもつ国立大学には基本的に附属学校がありますが、多くは所在地が大学と離れた場所です。しかし、幸いなことに千葉大…

福島市長及び福島市議会は問題あるいじめ条例をそのまま放置するのか

各地の教育委員会がいじめ防止対策推進法などに反する対応をして問題になるケースが、後を絶ちません。最近では、福島市で、小学生(当時)がいじめを受け不登校になった問題で、福島市教育委員会の対応に問題があり、調査委員会が報告書で市教委の対応や学…

18歳成人制スタートであらためて注目したい消費者トラブル問題

今年4月から、成人年齢が引き下げられ、18歳から成人となります。当事者たちが特に望んだわけではないのに、高校生なら多くの人が卒業前に「大人」ということになってしまいます。酒やタバコは20歳以上でないと認められない一方で、契約については一人前とな…

内閣府「令和3年度 ⻘少年のインターネット利用環境実態調査」の注目ポイント

先日、内閣府より「令和3年度 ⻘少年のインターネット利用環境実態調査」の結果の速報が発表されました。 www8.cao.go.jp この調査は、青少年のインターネット利用に関する政策の基礎となるデータを毎年とっているものですので、注目していただきたいと思い…

乃木坂46の11年目とヴァルネラビリティ

【以下の文章は、3月2日に書いて3月4日朝に投稿予定っだったものです。3月3日に乃木坂46公式サイトにて中西アルノさんの活動自粛が発表されて状況が変わりましたが、この文章は変更せずに載せたいと思います。】 今夜は21時からネット番組「乃木坂白熱論争」…

主権者教育は、投票率向上目的であってはならない

このほど、藤川大祐編「多様化時代における主権者教育に関する研究」 (人文公共学府研究プロジェクト報告書第372集)が完成し、インターネットで公開となりました。 ace-npo.org 私たちの研究室では毎年3月に研究室紀要『授業実践開発研究』を発行していま…

ロシアのウクライナ侵攻 理念なき権威主義はどこに向かうのか

ロシアがウクライナに侵攻し、西側諸国が経済制裁等を進めているものの、ウクライナ国内の戦火が広がり、一般人の犠牲者が増えていることが連日報じられています。冷戦後の世界にあって、一つの国が他の国を公然と攻撃し、多くの国から批判されても攻撃が止…

教員養成制度をいじるのでなく、新任教員の無理ゲーを変えることを

文部科学省が、教育実習を学校体験活動に転換することの検討を始めたことが報じられています。 www.kyobun.co.jp 文部科学省はこれまでも繰り返し、教員の資質向上を議論しており、教職課程の単位を増やしたり、「コア・かリュキュラム」なるものを定めて教…