プロ野球日本シリーズが行われているが、昨日までの勝敗は巨人の○●○●○と、見事に勝敗が交互につながり、一度も連勝連敗がない。これまで4戦目まで勝敗が交互となったことは5回あったが、過去5回はいずれも4戦目勝利チームが5戦目にも勝って連勝しており、5戦目まで勝敗交互は日本シリーズ新記録である。
私は以前に日本シリーズの勝敗を数学の題材として中高生に紹介したことがあり、今回は3戦目くらいからこの記録を意識していた。「3連敗のあと4連勝」というケースは3回(うち1回は初戦引き分けの後)あったのに対して、これまで「すべて勝敗が交互」ということはなかったわけで、このことから、「日本シリーズでは勝敗は勢いで決まりやすい」というようなことが数学的にどう言えるのかということを考察したのである。
両リーグを代表するチームの対戦ゆえ、基本的な勝率は1/2とし、引き分けは考えないこととしよう。すると、「3連敗のあと4連勝」も「すべて勝敗が交互」も確率は、(1/2)^6=1/64となり、それぞれ64年に1回くらいの確率で発生することになる。過去59年間で「すべて勝敗が交互」が起こらなかったことについてはなんとも言い難いが、、「3連敗のあと4連勝」が59回中3回もあったということは「けっこう多い」と言えるだろう。
ちなみに、確率1/64の事象が、n回起きる確率は、エクセルでの計算によればおよそ次のようになる。
(59回中n回起こる確率は、(1/64)^n*(63/64)^(59-n)*COMBIN(59,n)で求められる。)
0回 0.395
1回 0.370 (1回以下 0.764)
2回 0.170 (2回以下 0.935)
3回 0.051 (3回以下 0.986)
4回 0.011 (4回以下 0.998)
このことからも、上の結論が支持される。ただし、確率1/64の事象が59回中3回以上起こる確率は約6.5%あるので、「3連敗のあと4連勝」は「確率1/64より高い確率で生じている」とまでは言えないこともわかる。
さて、明日以降、日本シリーズはどうなりますことやら。