藤川大祐 授業づくりと教育研究のページ

藤川大祐のブログです。千葉大学教育学部教授(教育方法学、授業実践開発)。プロフィールは「このブログについて」をご覧ください。

「NHK杯放送コンテスト 「主催者に批判的」で失格」を問う

【追記・重要】以下の記事で「本日付」と書かせていただきましたが、当該新聞記事が出されたのは昨年(2009年)4月27日であることが判明しました。この件も含め、新たにわかったことを別記事で書かせていただきます。【追記ここまで】

 神戸新聞本日付の報道によると、「昨年七月の「第五十五回 NHK杯全国高校放送コンテスト」で、神戸地区予選一位になった兵庫県伊川谷北高校(神戸市西区)放送部の作品が、県大会の直前「主催者に批判的」との理由で、急きょ「失格」になっていたことが分かった。関係者は「生徒の問題提起を踏みにじる行為」と反発している。」とのことです。

(記事へのリンク)

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001863705.shtml

 この記事の通りであるとすれば、大問題です。私はここ数年、NHK杯全国高校放送コンテスト全国大会決勝の審査員をつとめており、見過ごすことができません。

 放送教育の活動は表現の自由の尊重を大前提に行われるべきで、「主催者に批判的」という理由で失格にするなどということは言語道断です。また、一昨年の審査ミスについても昨年の失格についても、いずれも全国大会決勝に出た可能性のある作品に関わる問題であるはずなのに、全国大会決勝での説明が私の知る限り全くなされていないことも問題です。

 私は主催者側に以下の対応を求めます。

1.審査ミスとなった一昨年の「7000の産声」に関して

1)主催者は謝罪を公表する。

2)今年の全国大会決勝において、主催者よりあらためて謝罪を述べ、「7000の産声」を特別上映する。

2.失格となった昨年の「アンサー」に関して

1)主催者は失格を取り消し、謝罪する。

2)しかるべき組織を設けて再発防止のための対応を検討し、公表する。

3)今年の全国大会決勝において、主催者よりあらためて謝罪を述べ、「アンサー」を特別上映する。

 主催者側からの説明等で新たなことがわかれば、ご報告させていただきます。

追記 NHK杯放送コンテストの主催は全国放送教育研究会連盟とNHKですが、今回失格処分を行ったのは記事によれば兵庫県高校視聴覚部会です。