意見に補足します。
2007年頃までは子どもの携帯電話をめぐる問題についての取り組みは不十分でしたが、その後、各所で関係者が連携した取り組みが進み、現在もさまざまな策が検討され、進められています。
ここ数年の主な成果としては、以下のものが挙げられます。
・文部科学省「ネット安全安心全国推進会議」の設置、多くの都道府県での有害情報対策コンソーシアム設置、安心ネットづくり促進協議会の発足等、関係者が連携して対策を協議する場の充実。
・青少年インターネット環境整備法の制定による、基本的な方針の法制化。
・出会い系サイト規制法改正による規制強化により、出会い系サイトをめぐる犯罪が減少。
・文部科学省による子どもの携帯電話等利用状況の調査等による実態の把握。
・「ネット上のいじめ」や「学校裏サイト」についての調査、啓発等が進み、問題事例が減少。
・学習指導要領改訂で学校における情報モラル教育強化が進められ、各種教材開発も進む。
・フィルタリングに関する改善や啓発が進み、フィルタリング加入者が激増。
・EMA等の第三者機関発足やサイト運営事業者、監視事業者等の取り組みの充実により、コミュニティサイトにおけるトラブル抑止が進む。
これらの対策が進んでも、まだ課題があります。現在対策が進行中もしくは検討中の課題としては、以下のものがあります。
・携帯電話契約時やサイト利用時の利用者の年齢確認をいかに徹底させ、年齢詐称によるトラブルを防ぐか。
・非出会い系のコミュニティサイトで生じている福祉犯を中心とした事件・トラブルが、どのようなサイトでどのように起こっているかを解明し、どのように抑止できるか。
・情報モラル教育を中心とした教育・啓発を子どもや保護者等にどのように進めるか。
東京都は首都にふさわしく、全国で進むこうした取り組みにさまざまな関係者とともに取り組むべきであり、的外れの保護策や不当な利用者への介入を進めるべきではありません。東京都による子どもの携帯電話に関する取り組みについては、抜本的な再検討をお願いしなければなりません。