藤川大祐 授業づくりと教育研究のページ

藤川大祐のブログです。千葉大学教育学部教授(教育方法学、授業実践開発)。プロフィールは「このブログについて」をご覧ください。

震災に関する情報支援として何ができるか

 メディアや情報に関わる研究者が連携して、震災に関する情報支援を進めていこうという動きが始まりつつあります。以下、私が関与しているものを中心に、現状と課題をメモとして書いておきます。

1.これまで取り組んできたこと(ほぼ時間順)

(1) 学生へのメッセージの発信、情報共有

・学生や家族の安否確認

・一人暮らしの学生ができるだけ他の人と一緒にいるよう勧める

・大学や周辺地域に関する情報の共有

・来るべき出番に備えて学び、体力を蓄える

・ボランティア情報の共有、参加する学生への激励

(2) 学校の教員等への情報発信

・深刻な被災のない地域の子どもの心のケア

・テレビが報じない情報(各地での前向きな取組、世界からの応援)の共有

・学校版Pray for Japanの応援

(3) テレビ放送に関する提案

・悲惨な映像の限定的な放映

・政府や電力会社への無責任な批判をしない

・通常番組に戻す等、方針の明示

(4) 学生に関わりのある地域(福島県田村市)をターゲットとした情報支援

・学生チームによるTwitterやブログの立ち上げ

・現地への電話やメールによる取材にもとづいたニーズの把握、情報発信

2.今後の課題と取組案

(1) 被災地・被災者支援

・市町村別(もしくは中学校区別、以下同様)にサポートチームを作り、現地に関する情報収集を行う。

スマートフォンもしくはタブレットと回線を被災地・被災者に事業者から提供してもらう。

・ネットに不慣れな人でも利用できる市町村別ポータルサイトを作成し、更新していく。

(2) テレビ局、新聞社、雑誌社等に対して

・震災関連報道に関する方針を定める

風評被害防止策を検討する

・被災者に配慮すべき表現のガイドラインを検討する

・リアルタイムで放送の内容・方法を修正するしくみを設ける(たとえばネット対応の強化)

・地デジ以降の延期

・ネットでの配信の拡充

(3) 学校等に対して

・子ども、教職員、保護者に対する心のケアに関する情報の共有

放射能等に関する情報の共有(特に風評被害防止の観点から)

・震災をふまえた学習に資する教材の提供

(4) 学生に関して

・被災学生の支援、ボランティア等に関する情報の共有

・学生による情報支援活動の推進