藤川大祐 授業づくりと教育研究のページ

藤川大祐のブログです。千葉大学教育学部教授(教育方法学、授業実践開発)。プロフィールは「このブログについて」をご覧ください。

さらば、ep、プラットワン

(たぶん一部の人にしかわからない言葉が多いですが、説明しきれないため、言葉の説明は基本的に省かせていただきます。)

 110度CS放送で、整理統合が進んでいる。

 家電数社が連合して始めた蓄積型データ放送「ep」が蓄積型データ放送からのデータ放送からの撤退を発表、チューナーの返却を希望する会員にはチューナー購入価格全額を返金する。

 他方、「プラットワン」と「スカパー2!」に分かれていた2つのプラットホームが、「スカパー2!」に吸収合併となり、「スカパー110!」として再スタートする。

 私はここ数年、ややマニアックにこうした各種デジタル放送に加入し、視聴してきた。せめて、それぞれの試みがどんなものであるかを、きちんと見ておきたいと考えてきた。

 「ep」については、チューナーを設置したその日に、蓄積型データ放送はダメだと感じた。数分のビデオクリップが見られるものが多かったが、基本的にテレビ視聴は30分とか1時間くらいずっと映像が流れているのがいい。数分ごとに番組を選ぶなど、やっていられない。だいいち、番組内容も陳腐で、わざわざ選んで見たいものではなかった。

 それでも、「ep」のチューナーであるepステーションは我が家で大活躍した。BSやCSの番組を画質を落とさずにハードディスクに記録できることで、ようやくBS/CSのデジタル放送を本格的に見ることができた(たくさんのチャンネルがあるのだから、とりあえず録画しておいてあとで見るほうが現実的なのだ)。SBCの実験的ドラマ「スジナシ」をBS-iで楽しんだり、WOWOWの映画をハイビジョンで見たり、TBSの名作ドラマをCSで見たりするために、epステーションは大いに働いてくれた。(他にも同等以上の機能をもつチューナーがあったが、当時はepステーションよりずっと高価だった。)

 「プラットワン」と「スカパー2!」は、最初から分かれている意味がなかったように思う。両者が一体となって先行の「スカパー!」のように戦略的に進めていくべきだった。たとえば、「スカパー!」ではさまざまなチャンネルを駆使してプロ野球やサッカーを大量に放送してくれるが、「プラットワン」+「スカパー!」では見られる試合が限られる。たとえば、私の地元の千葉ロッテのホームゲームは、「スカパー!」では全試合中継されるのに、、「プラットワン」+「スカパー!」では全然見られないのである。

 統合後のチャンネルやパックの再編はまだ発表されていないが、「スカパー!」で売り物にしていることを「スカパー110!」でもできるようにしなければ、結局私たちは「スカパー110!」を見ずに「スカパー!」ばかりを見ることになってしまう(不便だ)。さらに言えば、これまで専門チャンネルしか放送していない日本テレビが、過去のドラマやバラエティを集中して放送する「日テレチャンネル」を始めることを切望している。

 それにしても、110度CSの関係者は、なぜこう視聴者の実態をあまり理解せずに事業を進めてしまうのだろうか。体質が変わらなければ、「スカパー110!」の前途も暗い。