藤川大祐 授業づくりと教育研究のページ

藤川大祐のブログです。千葉大学教育学部教授(教育方法学、授業実践開発)。プロフィールは「このブログについて」をご覧ください。

高校生に「学問と社会はどのようにつながっているのか?」をテーマに講演

 本日、県立千葉東高校のスプリングセミナーにお招きいただき、入学直後の1年生のみなさんに講演させていただきました。答えのない問題に向かい、自分が社会とどう関わるかを問い、社会への貢献を目指してほしいということをお話しさせていただきました。

 以下がレジュメです。

学問と社会はどのようにつながっているのか?

                      千葉大学教育学部教授 藤川大祐

1.答えのない問題がある

・自分以外の約数を加えると自分と一致する自然数、「完全数」。(『ゼロから無限へ』講談社ブルーバックス

ディベート甲子園の論題「積極的安楽死の合法化」「国会一院制」「労働者派遣禁止」「18歳以上に選挙権・被選挙権」「炭素税導入」、そして「原発を代替発電に」…

・「私は社会の中でどう生きるべきか」という問題

2.「本当の自分」はどこにある?

・答えは自分の中にはない

・状況の中で活動することで、出てきてしまう自分

・人はすぐには変わらない、時間をかければ変わる

・できない自分/他者を嫌うのでなく、成長できる自分/他者を愛する

3.答えを目指した先人たちに学べ

・教えてもらうことを待つ必要は全くない

・口べたでもあがり症でもかまわないので、質問しよう

・考え、議論し、本を読み、やってみれば、答えまでの距離が見えてくる

・テレビ局の人は、100の情報、50の電話、25の取材、10のロケを経て1つの番組をつくる

4.大学を目指すなら

・自分のために学ぶのでなく、社会に貢献するために学ぶ

・学問は、社会とつながる(現在の社会とかもしれないし、未来の社会とかもしれないが)

・やりたいことがなくても、自分に与えられた使命は見つかるはず

・大学教員の本を読み、キャンパスを歩き、教員や学生と話そう(サイエンスキャンプ等もある)

・受験に必要のない学習ができなければ、大学生活はきつい

5.社会人になるために

・中途半端な経験に価値はなく、大人が驚く大胆な経験に価値がある

・向いている仕事でないところに、活躍できる場所があるかもしれない

・会社には「してもらう」のでなく「してあげる」

・体力と精神力(ストレスマネジメント力)、コミュニケーション力が基本