昨日3月31日、千葉大学教育学部授業実践開発研究室(藤川研究室)の研究紀要『授業実践開発研究』第15巻が完成し、インターネット上で公開となりました。千葉大学附属図書館のリポジトリへの掲載や冊子の印刷は少し先となりますが、現在は研究室論文集サイトに全論文が掲載されています。ぜひお読みください。
私は、「オタク力」研究グループの方々と連名で、「キャリア関連能力と『オタク力』との関係」という論文を執筆しました。
この論文は、先日の日本教育工学会全国大会で発表した内容を論文化したものです。
現在進められているキャリア教育では、「基礎的・汎用的能力」が強調されています。しかし、このように誰でも共通に身につけられる力をつけさせることがキャリア教育だとすると、自分が好きなことを大切にし、たまたま出会ったものとの関係を大切にするようなキャリア形成が否定されかねません。言い換えれば、「オタク力」を大切にする立場からは、「基礎的・汎用的能力」の強調は危険だということです。
また、「キャラクター・ストレングス」、「ライフキャリア・レジリエンス」、「透過性調整力」、「進路選択自己効力感」といったキャリア関連能力と「オタク力」の関係についても検討しました。
「オタク力」については、千葉大学教育学部研究紀要に「『オタク』の意味論的検討」という論文を発表したばかりでもあります。あわせてお読みいただければ幸いです。